富山地方鉄道は、運営難に直面し本線の新魚津~宇奈月温泉間の廃止も検討していることを明らかにしました。
すでに「滑川~新魚津間」と、立山線「岩峅寺~立山間」の廃止手続きへの準備が進行中です。
当記事では、廃止対象区間の詳細や、立山線・不二越・上滝線の今後、自治体の支援策などについて深掘りします。
本線の現状と廃止検討の詳細
本線では、すでに滑川~新魚津間の廃止手続きが準備段階に入っています。
そして今回、新魚津~宇奈月温泉間についても廃止を基本とした協議を沿線自治体と行う方針が示されました。
両区間が廃止されれば、本線の滑川~宇奈月温泉間(約31.5km)が消失し、残るのは電鉄富山~滑川間(約21.8km)のみとなる見通しです。
これは通勤輸送が中心となる電鉄富山~滑川のみが残る形となり、観光輸送や地域アクセスに深刻な影響を与える可能性があります。

立山線の廃止方針とその背景
立山線の岩峅寺~立山間も、2026年11月末での廃止を基本方針として掲げています。
ただし、2025年12月までに自治体側から新たな提案があれば協議するとしており、最終的な結論は年末にかかっています。
これは、日本屈指の観光ルート「立山黒部アルペンルート」を支える区間であり、観光への影響も懸念されています。
また、立山線に関しては、自治体が2027年度から活用を目指す「鉄道事業再構築事業」の適用に向け、2025年11月までに調査報告をまとめる方針も示されています。
その結果を踏まえ、2025年12月に自治体と地鉄が支援内容で合意できるかどうかが、存続のカギとなります。
不二越・上滝線の今後
不二越・上滝線では、月岡~岩峅寺間が2026年度から「みなし上下分離」方式に移行することが決まっています。
これは施設所有と運営を切り分ける形式ですが、運営自体は引き続き富山地鉄が担当します。
この制度変更によって、財政負担や設備更新の柔軟性が高まり、路線維持の可能性が広がると期待されます。
自治体の支援と存続の可能性
今回の会合では、富山県の新田八郎知事が鉄道維持に前向きな姿勢を示したことも報じられ、自治体の支援が得られれば存続の可能性が高まるとの見方もあります。
また、沿線自治体・県・関係市町の連携による「富山地方鉄道鉄道線のあり方検討会」が設置され、路線の将来に関する協議が進められています。
特に本線については、将来収支見込みや運行形態パターンを含めた調査が行われており、黒部市などが主体となって2027年度以降の再構築を視野に報告まとめを進めています。
ネット上での反応と声
ネット上では、廃止への危機感や地元への影響を懸念する声が広がっています。
・「観光ルートが分断される」
・「世界的観光資源へのアクセスが失われる」
といった指摘や、すでに経営赤字が続く状況への怒り・悲しみの反応も少なくありません。
また一部では、あいの風とやま鉄道との並行区間の存在から、本線の中間区間が廃止されるロジックに理解を示す声もあるようです。
鉄道ファンや地域住民からは、「地域の足が奪われる」ことを重く受け止める意見が多く見られます。

まとめ
富山地鉄をめぐる今回の廃止検討は、本線の大半および立山線の一部が消え、運営路線が極端に縮小する危機的な局面を示しています。
一方で、自治体の支援や再構築事業を活用する動き、制度変更による維持策も進行中です。
2025年末の自治体との合意が成否の分かれ目となる可能性が高く、地鉄の未来は、行政と地域のいかなる支援と判断にかかっている状況です。
今後も動向に注目しましょう。



コメント